2020年03月06日

冬マットはこれで決まり

前回のキャンプでは、新規投入したスリーピングパッド(マット)に大変満足しました。
明け方、気温が氷点下まで下がり、炊事棟の流しも凍結するほどでしたが、地面からの底冷えを感じることはありませんでした。

そのマットはEXPED(エクスペド)のSynMat HL Winter Mという製品。
スイスのメーカーみたいですね。

で、このマットに行き着くまでに色々と紆余曲折がありまして、せっかくなので奥の深いスリーピングマットの世界について少々語ってみたいと思います。

今回は回りくどいよ〜!
 
キャンプなどで用いられるスリーピング・パッド(以下マット)には、オープンセルフォーム、クローズドセルフォーム、セルフインフレータブル、エアー、などといろいろ種類があります。
SynMat HL Winter Mはこの中ではエアーに属するのかな。
ちなみにホームセンターなどで安価に売られているいわゆる「銀マット」は、クローズドセルフォーム(オープンセルのものもある)にアルミを蒸着させたものです。

アウトドア系の通販サイトを見れば分かると思いますが、マットの種類は非常に膨大です。
値段もまさにピンキリ。
正直、キャンプ経験者でもどれを選べば良いのか分かりません。
夏に整地されたキャンプ場に車で行くなら、ぶっちゃけどれでも良いと思いますけど、そうでない場合は条件を勘案して品定めする必要があります。

クッション性を重視するのか?断熱性なのか?収納スペースや重量は?耐久性やもちろん値段も重要な要素。
私の場合、元々は山登りからキャンプに入っていたので、当初は重量が最重要ポイントでしたが、バイクツーリング主体となった今ではそこまでこだわる必要もありません。
代わりに収納スペースと断熱性が上位に上がってきた、そんな感じです。

さてさて、夏はともかく、晩秋から初春にかけてもキャンプをするよ、という場合、断熱性は大きな選定基準です。
寝ている間に地面に奪われる熱は想像以上で、どんなに高価な冬用シュラフを使っていても、マットを軽視しては快適な睡眠は得られません。
なんとなれば、地面と体に挟まれた部分は、シュラフの中綿も圧縮されて完全にロフトを失い、断熱性を発揮できない状態になっているから。
これは経験から言うのですが、地面からの冷えはモロにケツに来ますよ、だんな。

で、特に冬キャンともなれば断熱性の高いマットが欲しくなるわけで、私の様にアウトドア道具大好き物欲野郎(そして決して金持ちではない)は、実に様々なメーカーの様々な製品をネットで比較しながら「うーんうーん」と悩みに悩みを重ねることになるのです。

そんな中で断熱性の一つの指標となるのが「R値」というもの。

建築業界では家屋に用いる断熱材の性能を表すために結構よく使われるみたいですが、要するに熱抵抗=熱の伝わりにくさを数値化したもので、数字が増えるほど断熱性が高いことを意味します。
マットメーカーでもこれを表示している例がたくさんあります。

ならば話は早い。
R値が高ければ高いほど断熱性が優れているわけですから、サイズや重量、価格も含め、(寝心地は置いておいて)全て数値をエビデンスとして製品比較ができるじゃないか!

…と思うでしょ?

ここに実は大きな罠が…。
このメーカー公表のR値、メーカーごとに測定基準がまちまちなのですよ。
R値が高ければ高いほど商品価値も上がるわけですから、メーカーによっては自社製品に有利な結果が出る様な測定をしていたりする。
マットって使用時の条件が単純ではないので、この辺りは細工をしようと思えば幾らでもできちゃうんですよね。
例えば、上に人が寝てマットが圧縮された状態を再現しているのか?とか、空気室と空気室との間に間隔がある製品はどう測っているのか?とか、「冷たい地面」→「体温」への熱抵抗になっているのか?とか、素人目線でも続々と疑問が浮かぶわけです。

なので、ぶっちゃけ、全メーカーの全製品についてR値を鵜呑みにするのは危険です。

シートゥーサミットだったっけ?このメーカーのマットはR値を表示していないのですが、その理由をユーザーに問われた時に「いろんなメーカーのマットを買ってうちで測ってみたけど、公表されているR値を下回る製品が多かったし、その幅もまちまちだった。全てのメーカーの全ての製品が公平な同一の条件下で測定されていない限り、R値を公表することはかえってユーザーを混乱させると判断した。だからうちでは公表しないよ」(以上、意訳抜粋)との回答をしています。

確かにその通りだよな。

この、各メーカー同一の条件下での測定(測定方法の標準化)、ということに関しては、マットのトップメーカーであるサーマレストが率先してやろうとしているみたいです。
アメリカのサイトを見ると「ASTM R-VALUE 」を提唱していますね。
まだ各社の足並みがそろっているわけでもないようですから時間はかかると思いますが、ユーザーの立場からするとさっさと統一してくれねーかなーというのが正直なところ。
ま、色々あるんでしょうけど。

ちなみにですが、サーマレストの場合、同じモデルでも年によってR値がちょくちょく変わります。
あれ?去年まで4に近かったのに、今年は3に近くなってる!なんてことも。
これもASTMと関係あるのかしら?

さてさて、長くなりましたが、私の買ったSynMat HL Winter M。
これのR値は5.0。
メーカーによると対応温度は-18度だそうですが、例によって低温への耐性は個人差や諸条件による差が大きいのであまりあてにはなりません。
まぁ体感では中国地方の無雪低山程度なら、真冬であろうとも底冷えで悩むことはそうそうないでしょう。

個人的印象では、サーマレストとエクスペドの表示R値は概ね似通っていると思います。
これまで使っていたサーマレストのセルフインフレータブルのマットがR値3.4。
エクスペドのR値5.0とその断熱性の差はだいたい数字通りかな、といった感じです。
以前買って「失敗した!」と書いたとあるメーカーのマットはR値4.4と謳われていましたが、実際に使うとR値3.4のサーマレストより冷えました。

そりゃ腹も立つよ。

収納されたSynMat HL Winter Mを手に持ったところ(やっと本題)。
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コンパクトなので、ツーリングバッグに入れても場所をとりません。

このコンパクトさは、やはりエアマットならではですね。
セルフインフレータブルは中にオープンセルフォームが入っているので、どうしてもここまで小さくは収納できないのです。

スタッフバッグの中には、マット本体に加え、リペアキット、ドライバッグ兼用のポンプ(正式名称「SchnozzeL Pumpbag」発音わからん)が入っています。
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このなんとかポンプバッグ?をマット裏側にあるバルブに接続しましてですね。
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こうして空気をはらませて、膝と胸で抱き抱える様に圧縮して空気を入れるわけです。
20030604.jpg

だいたい4回ほどで一杯に膨らみます。
20030605.jpg

口で空気を入れると、呼気に含まれる水分で中がカビたり劣化したりするリスクがあるそうです。
この製品には一応、加水分解を防ぐ処理がされているみたいですけどね。

マットの内部、上部と下部に、インシュレーション(中綿・断熱材)がラミネートされています。
これによって空気の対流を遮り、上部の体温によって温まった空気と下部の地面で冷やされた空気が混ざって全体が冷えるのを防ぐ仕組みです。

収納する時はバルブに付属の棒を突っ込んで開放状態にし、空気を抜きながら足元から巻いていきます。
この手のマットとしては畳みやすさは標準的。
インシュレーションが入っているので、空気の抜けは若干悪いですが、それが断熱性の肝だと思うと気にはなりません。

マットの頭側には、面テープを貼り付けました。
20030606.jpg
何に使うのかと言うと…。

こうして、ピローを固定してずれない様にするのです。
20030607.jpg

これは私が思いついたアイデアではなく、ある方のブログで紹介されていたテクニック。
モロパクリしてすいません。

寝心地はエアマットらしい若干フニャフニャしたもので、人によっては「これが嫌い」という方もいるでしょうが、私はまぁどっちでも良いかな。
ともかく、断熱性は素晴らしく、今後冬キャンはこれでずっといきます。

ちなみにSynMat HL Winter Mは足側の幅が狭いテーパー形状。
実は足側も頭側も幅が同じ長方形のSynMat UL Winter Mというのもあって、値段が2千円違うので「できるだけ安い方を」としか頭になくてHLを選んだんですが。
今になってULにすれば良かったかも、と若干後悔中だったりして。

2千円ごときでブレるなんて、やっぱ俺も貧乏性だなぁ。
posted by Kei at 21:11 | Comment(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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